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印刷・出版の歴史

1445 グーデンベルグの42行聖書
1460 ライン川沿いを中心にして、印刷は全独に及ぶようになった
1464 ローマ近くのスビアコにおいて、イタリア最初の印刷所が興される
1465 スイスのバーゼルで印刷業が始められる
1470 パリ(フランス)、ユトレヒト(オランダ)で印刷業が始められる。
1470  印刷の中心はドイツから、政治・商業の中心地であったイタリアのベネチアへ移る
1473 スペイン、ハンガリーでも印刷業が始められる
1476 イギリスで印刷業が始められる
1483 スウェーデンで印刷業が始められる
1870 日本でもかわら板などの印刷がはじまる

15世紀の中ごろにグーテンベルクが印刷技術を発展させるまで、読み書きは本を手に入れる事の出来る一部の人にしかできませんでした。しかし、 一度に同じ本がたくさんできるようになったため、安く一般の人に本が行き渡るようになり、教育面でも活躍する事になり読み書き出来る人が増えた。このころ ルネッサンスと呼ばれる時代が幕を開け、新しい様々な種類の本が出版されて文化が大量に、正確に、人々に広がります。ルネッサンスの大きな出来事である『宗教改革』では、ドイツの宗教家 マルチン・ルターがドイツで自分の思想を印刷・発表し、多くの人々に影響を与えている。
こうしてルネッサンス以後、ヨーロッパの文化はめざましく発展して行きますが、その陰には印刷の発展があったからだといわれてる。

一方日本での印刷分化は遅いようにも感じ、グーテンベルクの印刷技術がまったく伝わらなかったようにも見受けられるが、まったくそうであったかと言うと実はそうでもない。
一般には知られていないが、キリスト教の伝来と関係して1590年ごろに宣教師が印刷機械と活字を持って来て、その印刷方法を伝えた事実もある。いわゆるキリシタン版であるが、キリスト教禁制の圧力によって、日本に定着できなかった。
このように時代背景によって定着できなかったという文献は、印刷をひも解く話しとしては面白いが、反面悲しい事実ともいえる。
しかし今では、先進国の仲間入りを果した日本は、印刷技術においても最先端を行き、各国に印刷機を輸出し、有能な技術者を派遣している。

一般に製版(印刷前の工程)できる状態の完全原稿。フィニッシュワークとも言いいます。
印刷は手書きの原稿をそのまま使うわけではありません。どの人が見ても読みやすいように活字にし、レイアウトをします。
本の校正をして頂く時には、この版下が仕上がっている状態で、ゲラ刷り(試し校正用)のプリントされた物でお客さまには校正して頂く事になります。
本を作る上で、この版下作成が時間的に一番長く使われる所となっております。

印刷の種類
凸版(トッパン)印刷
いうなれば印鑑に朱肉をつけて書類に押すのと同じ。グーテンベルクなどの活版印刷が代表的な物である。
力強い印刷が特徴。

平版印刷
平面がほとんど平らで化学的処理をほどこした版を使い、画線部と非画線部との表面張力の差を利用して印刷する。転写圧力がすくなくて済むので、文字や線がつぶれにくい。ゴムから転写するので荒い紙も刷れるようになってきたので雑誌などにも用いられる。大半の印刷物はこの方式である。

凹版印刷
凸版印刷とは逆に版の印刷するべき部分がへこんでいて、そこにインキが詰められ転写する。グラビア印刷がこれにあたる。濃淡が微細な再現にすぐれているため、写真や絵の印刷に用いられる。

上記のように、印刷には3種類の方式があり、現代の印刷屋では平版印刷が主に使われている。最近あまりお目にかからなくなった凸版方式の活版印刷だが、和紙でも目の荒い物や飾りなどはいっている物、各地域に伝わっている和紙ににているが製法が違う特種和紙などの目の荒い紙に対しては、やはり現代主流の印刷方法では刷りづらいらしく、今だに活躍する場は減ったとはいえ活版を使用しなければいけない場面も多々あるようだ。

書籍の製本には大きくわけて「本製本」と「仮製本」に分かれる。
まず「本製本」から説明します。
本製本は上製本とも呼ばれ、 事典や百科事典などに良く使われます。上製本には、背に丸みを出した丸背と、背が平らな角背があり中身と表紙の接着方法にも3通りあるが、それは今回は記さない事にする。特徴としては仕上げられた中身を表紙でくるむので、中身より表紙が大きいのが特徴である。

仮製本は並製本とも呼ばれ、綴じた中身を表紙でくるみ一緒に仕上げ断ちをする。このため並製本は表紙と中身の大きさが同じである。

上製本と並製本のように、製本には2種類あり値段も違ってくるので、その事を念頭に置き、本を作る時には構想にいれて案を練ってみると良い。

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